環境哲学者ファン・テグォンさんの「Life is Peace」

投稿者: | 2015-01-17

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=5E9NWrCKTgQ[/youtube]

ファン テグォン氏の「Life is Peace」を観た。今日から各地で上映会と交流の場が用意されている。
全く知らなかったのだけど、とても心に響く映画、そしてお話を伺った。フィンドホーンにも2度ほど訪れている。フィンドホーンの創設者と同じく、導かれてそこに行き着いた。共通していること、それは実践と実験とデモンストレーション。

備忘録として、今日のまとめ。

80年代に韓国にて民主化運動に関わる。アメリカ留学から帰国した時にスパイ容疑で逮捕され、過酷な拷問に耐えながら13年2ヶ月刑務所で生活する中で、肉体も精神も死の淵に立った時に、目の前に現れたのは『野草』。野草を見つめ、獄中から自然界とのコンタクトが始まり、人格的な神の存在は無く、全ての命に神は宿ると悟ったと。そして、このプロセスはそのことを悟る為に合ったのだということを悟ったそうだ。妹に送った野草の絵とその様を描いた手紙が本、「野草手紙」として出版され、韓国でミリオンセラーに。今は全羅南道ヨングァンにて『生命平和マウル(村)』という自給自足農園を仲間と育てている。

『幸せとは平和とは自分の居るべき場所にいること』

カササギは丸一日かけてそこにぴったりの枝を探すために枝を運び続けた。ぴったりとそこに納まる最初の一本が見つかった時に、あっという間に風にも雨にも耐える頑丈な巣を作り上げた。

過去の戦う時代
勝利したものは新しい社会を作ったが正しい社会を作ってきたのだろうか?

戦う意味はどこにあるのか。
勝者は独裁者になっていく

正しい運動は生命運動。
敵に向けた指先を自分のハートに向け、運動のブロセスから結果まで平和に行うことが必要。全ての命は平和に在るために生きているのだ。
昔の反対運動は頭を使う必要はなかった。敵を無視し、打倒すること。しかし。それが敵をもっと強くした。相手を憎しむほどに相手は強くなるのだ。

相手のニーズを知ること。例えば、原発問題で私たちは『原発安全性のための共同行動。』という名前で行動している。国に対して、この安全性を徹底的に求める。安全性を徹底して監視し、政府がもうお金をこれ以上かけられないと思うまで続ける。経済性に疑問が生まれるまで続ける。

私の敵を作らない。
相手を非難しない。
敵と味方ではなく、同じ共同体にあるものとして共に働かなければならない。
ただ、原発はいらないという基本原則は変わらない。

エコロジー運動も反核運動も違うものではなかった。両方に関わることで地域とのコネクションがつよくなった。区分するのではなく。全て繋がりの中にあるということ。

私たちが敵と思える存在と共に生きよう。エコロジーは調和。それがポイント。
これまで、病の世界で人間はウィルスを無くすことばかりを追求した。敵は憎めば強くなってくるという原則は変わらない。だから、もっと強いウィルスが増えた。

治癒とは菌を無くすのではなく、どんな菌と生きるかということ、いかに共に生きるかということ。善玉菌5 悪玉菌5 あと90はどちらでもない。善玉菌を増やすことでその90がそちらに働いて発酵する。しかし、それは悪玉菌がなくなるのではなく、善玉菌優位の調和がなされるということ。そういう均衡がものの道理なのである。排除することは決して上手くいかない。

人生の成功は調和をどうもったのか、ということで計れると思う。

非主流にこそ希望がある。
ここが均衡とバランスを保っている人々なのだ。権力とお金で社会づくりをする主流こそがそのバランスを崩してしまう。

次のテーマは『土』
土を「不動産」から解放しよう!資本主義の資本としての土を取り戻そう。

☆☆☆

たくさんの問いかけ。たくさんの答えと主義主張がある中の「ゆらぎ」の中で選択し続けていくこと。それが、自分自身の人生を、そしてこの社会を発酵させるのか、腐敗させるのか。「調和」と「均衡」はこれからのテーマだな。何においても。

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