去る2月27日と28日、春爛漫な陽気に恵まれた週末、国立のシェアハウス「なないろハウス」にて、国立のゆるやかな繋がりの中で生まれたフリマが開催されました。
昨年の秋、5年間この町のオアシススポットの一つだったカフェ「ベジ・ア・ターブル・トピナンブール」がその役割を終えて、新しい旅に出るということになった時に、そのプロセスをサポートしたメンバーで「スーツケース一つを持ち寄ってフリーマーケットなんて楽しそう。」という発想が事の発端。
「要らないモノたち」というより、家で眠っている捨てられないけどお気に入りのモノ達を「かわいい子には旅をさせよ。」と言う事で、新しくかわいがっていただける持ち主に出会う場となるといいねえという想いをベースに、「トピナンブール」で活躍したキッチン用品や、それぞれの旅の中で見つけた素敵なモノたち、家族の成長や変化と共にその家での役割を終えたモノ達が集まり、そのストーリーを分ち合いながら、モノが旅立っていく事に、思いがけない嬉しさと快感と、病み付き感を味わったのでした。
そんな心地よさを味わった仲間で、今度は他にも仲間を募ってやってみようと、今回の「フリマナンデス〜モノだって旅したい!」が誕生。といっても、私はやいのやいの言ってるだけで、国立を知り尽くす素敵なご婦人、S子さんの行動力とクリエイティブな発想力で、みるみると立ち上がっていったのでした。
「なないろハウス」は7世帯がシェアして生活をしている自立型シェアハウス。どんな大家族が住んでいたのかと思うような、大きな日本家屋の二階にある7部屋に7世帯が共に暮らす家。一階には庭に面した縁側のある3間続きの大広間があり、住人のみなさんの共有スペースとして、またゲストが泊まったり、今回のようなイベントに貸し出しをしながらセミオープンスペースとなっています。(注*貸し出しにはそれなりのルールあり。)
親子で入居していている方々、独身の方や会社勤めの方がいたりと様々な生き方をしている人たちが暮らしている。子供たちはみんなに抱っこされながら育っている様子はなんだかとてもあったかい。住まい方の違いでいろいろと難しい事もあるのは当然で、話し合い、折り合い付けながら共に暮らす、とっても当たり前だけどどこか、薄れてきてしまった生活感覚がここには活きづいているのがとても魅力的に感じた。
そんな暖かい空間が引寄せる様に、特に細かい擦り合わせをした訳でもなく、旅するモノや、美味しいもの、癒しを運んでくるもの、音楽、そして古の知恵を運ぶ古代文字の世界とぎゅっと密度の濃い場が生まれ、この場の呼びかけに引寄せられた方々が足を運び、春の陽気に包まれたなないろハウスの週末を過ごして下さいました。
新しい出会いもあれば、思いがけない再会もありました。遠いところからこのために来て下さる方も。
ちょっと交わす会話から、とても深い話までに及んで心を解放する場面も。また、この先の展開に繋がるような出逢いもあったりと、単純に「モノを売る」ことだけではない、クリエイティブな時間が流れていきました。
お金はエネルギー。モノや技をお金で交換していく事は大切な事。でも、そこにどんなエネルギーを乗せて発信するのか、受けとるのか。つけた値段が、そのモノの価値に対して安すぎると、付けた値段よりも多くはらって下さる方もありました。自分で選んで、価値を決めてその対価を払う、そんなハプニングがあるのもフリマの遊びかな。
眠っていたモノ達が息を吹き返して旅立つのも清々しい。ストーリーと共にモノやアートが繋ぐ出逢い。フリマの効用は思いがけず有機的な広がりをみせました。
次もやりましょうね、夏前に。というのが、〆の言葉。
次回はどんなモノや技や笑顔が飛び出すでしょうか。お楽しみに^^
次回予告*6月18日〜19日@国立なないろハウスにて再び。