世界の先住民族の英知を記録するために、カメラを抱えて単身で旅をしながら、そこで経験したこと、授かった智恵を分かち合っている亭田歩さん。
お会いする前に、ハワイ関連のことでやりとりしていたのですが初めて講演会でお話を伺うことができました。
アボリジニ、ケルト、クリンギット、ホピ、台湾の原住民族、そして今回のハワイアンと経験が重ねられ、この後はアイヌと続き、その先はまだ行き先は決まってないよう。(サイトによれば)
ハワイでのお話を伺う場ではあったものの、本題に行く前に溢れんばかりのメッセージがポンポンと飛び出し、それを右へ左へと意識を向けながら受け止め、あっという間の3時間あまり。
メモしたことはどれも、その一つ一つだけで十分本が書けそうなくらいの智恵に溢れていました。
中でも、ハワイ島のクムケアラチンから預かってきたチャントがとても心に響きました。
『闇の智恵をください
光と闇のバランスをください
闇の聖なる力を教えてください』
そもそも、我々人間の意識の世界は善悪といった両極の概念の前に無限のバランスの中にあったと。
自分だけを押し出すのではなく
相手に支配させるのでもなく
バランスをとる、ということ。
忙しい現代の社会において、なんでも『効率的』に『早く』片付けることに価値を持っていかれがち。
私自身、自分の周りで何か不協和音がなる時はここに原因がある。はっきりした正しい答えを求めること自体がもしかしたら幻想なのかもしれない。
今回のネイティヴハワイアンの旅のテーマは『祈り』。その旅のプロセスは祈りに始まり、祈りに終わったと。
祈り、それは意識を向けること。願うこととは全く違う在り方。全てのことに対して、丁寧に生きるということ。
そして、意味付けするよりもただ、等身大に生きること。
〜〜を、せざるを得なかった。
これでよし。
人知を尽くし天命を待つ。
これが、自然界の一部として生きる叡智。それを生きることそのものが『祈り』ということ。
嬉しかったのは、踊るときもまた、ただ(丁寧に)踊るのでよいのですというクムたちの言葉。なんだか涙が出るほど嬉しかった。
これから講演をしながら「響き」の制作費用を集めつつ、旅は続くようです。
「響き」オフィシャルサイト
http://www.hibiki12tribes.com