バンコク憧憬

投稿者: | 2018-01-22

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【バンコク憧憬編】

初めてこの街を訪れたのは1989年の12月。当時のバックパッカーはひとまず片道で日本からバンコクに入り、安いチケットが手に入るこの街で、インドやアフリカやここらから先の航空券を購入するのが旅のテクニックの一つだった。

私もインドに向かうためにここに来た。

当時ファランポン駅の周辺はちょっと退廃的な空気感で、売春宿と隣り合わせにあった安宿には、あまり健康的ではない(それがスタイルでもあり)旅人が集まっていた。

ナイトマーケットが賑わうこのヤワラーを一泊だけ予約していた宿を探して歩きまわった夜。肩にめり込んだ14kgの真新しいバックパックの重さで旅が始まった実感したもの。

しっかり歩かねば、と。

一年2ヶ月の旅を経て再びこの街に戻ってきたときにはそのバックパックも薄汚れ、重さも感じなくなってた。今思えば、その旅が世界に馴染むことを教えてくれたのだなと思う。

29年を経て(ビックリ?)訪れた、ここヤワラーは日曜日の昼間だからかなんだかこざっぱりして、あのいかがわしさが微塵もなく拍子抜け。

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時代もいまやLCCでアジア圏内は気軽に飛び回ることも出来るようになり、SNSで世界のほぼどこでも国境のギャップはなくなってきた。(縦割りという意味で。横割りや斜め割にするといろんな意味で以前より層のギャップは感じるのだけれど。)退廃的なものがちょっとカッコよく描かれた時代でもなくなったし。これから、仮想通貨が世界に浸透したら経済という意味でも益々国境は薄くなっていくのだろうな。

過去を懐かしみ惜しむのは旅人の勝手なファンタジー。そこに生きる人は当然、時代の流れとともに変わってゆくものだ。

約30年を経て、青空の下のファランポン駅を見て、この時間の流れに心地よさを感じた2018年のバンコクの午後。