里枝子さんのフィンドホーン歌日記

投稿者: | 2018-12-14

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2018年の夏。Peace Makin’Laboが主催したフィンドホーン日本語体験週間に参加された里枝子さんは若い時に両目の視力を失い、盲導犬のジャスミンとともに主婦、母、ラジオパーソナリティー、そして今年は満を持して瞽女歌(盲目の女性が歌う歌)の歌い手としての活動も始められるというバイタリティに溢れた女性。最初に、フィンドホーンに行きたい!とご連絡を戴いてから2年。丁寧に準備を重ねて今年の夏に心から信頼する友人の文子さんのサポートを得て参加が可能となりました。

見ること以外の全ての感覚をフルにオープンにしながら、いつも姿勢よく迷い無くサクサクと歩き、そこにいる方々に声をかけ、ともすれば見えていないといことをこちらが忘れてしまう程に全てのプログラムにしっかりと参加されました。

自由時間では、たくさんの様々な国々の方々と共にフリームーブメントに参加されました。約1時間余り、音楽と、そして、次々と彼女の手を取り、エスコートする人々に身を任せ、歓びを全身で表現しながら自由に踊る姿は、そこにいた人々に大きな感動を与えました。彼女の信頼に満ちたその姿と歓びのエネルギーに多くの方が感謝を伝えていたのが、とても印象的でした。

里枝子さんは、ただあるがままの里枝子さんとして参加していただいただけ。無理をする訳でもなく、できないことは出来ないと言い、そしてサポートをお願いする。楽しければ笑い、心が震えれば涙を流し、そして歌いたくなったら(あるいは、請われれば)歌う。真っすぐに放たれる歌声はいつでもそこにいる人達のハートを震わせました。その、あるがままがどんなにか尊いことか。手を差し伸べさせていただけることがどんなにありがたいことか。たくさんの感激を戴き、この出会いに心から感謝しています。

そんな、濁りの無い、感性豊かな里枝子さんは、フィンドホーンでの滞在中、たくさんの歌を詠みながら日記を綴られました。詠みながら全身で感じられる里枝子さんのフィンドホーンの時間をどうぞ感じてみてください。

Peace Makin’Labo
青木麻奈

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8月18日(土曜日)

フィンドホーン日本語体験ツアー1日目。
アバディーンのホテルを朝出発し、バスでフィンドホーンコミュニティーへ行く。
イントロダクションがあり、コミュニティーセンターの庭の草地で初めてのランチを戴いた。パークツアーでコミュニティの中を探索し、その後ビーチに行く。

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天使のような文子さんと手を取り合ってスコットランドへ
さりげなく声をかけられ友となる十七人の旅の仲間と
丘一面ファイヤーウイードの赤き花 心で見わたすスコットランド
風の丘ファイヤーウイードの赤き花風車は回るスコットランド
海越えて無事に着いたるフィンドホーン互いに駆け寄り抱擁かわす
木々の枝を鳴らして通るフィンドホーンの風を寄せては返す波音と聞く
ヒバの樹の香り流れてわれらのロッジ「クリアウォーター」の名にふさわしく
ジュディスさんの自己紹介は長老にしてなお「人生探求中」と
ジュディスさんと会話をしたい一心で吾(あ)もいつしらに英語で話す
草原(くさはら)に旅の仲間と陽を浴びて微笑みながら野菜いただく
北海は高く轟き波走るあのかなたには北極がある
指先に触れたる海は冷たくて北極点に思いを馳せる
返しては寄せくる波に手を入れてその塩辛きを舌に味わう
北海の浜で拾いし桃色の小石をわが手に載せくれし人

☆☆☆

8月19日(日曜日)

フィンドホーン日本語体験ツアー二日目
早朝に入り江で文子さんリードの「ヨガ オブ ボイス」を練習する。
エンジェルメディテーションの後、パークのクレーグさんの樽の家を訪問。

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明け初めし海に向かいて声上げる海鳥の群れの啼くに合わせて
海鳥も入り江に寄せる潮騒もわれらも歌う北海の朝
朝日浴び生きとし生きるものすべて声を上げおりわれらもそこに
足るを知るウイスキーの樽の家 屋根に上りて肩を組み合う
畑のために唄ってくれと頼まれて畔にて唄う瞽女祝い唄

☆☆☆

8月20日(月曜日)

朝、サンクチュアリーで皆さんとテーゼを歌う。
セークレットダンスとグループディスカバリーゲーム。カランガーデンでラブインアクション夜はアースロッジにて火を囲む。

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天国もかくやと想う声和して世界の人とテーゼ歌えば

見えずともゲームもダンスも楽しめば「みんなの先生」と人に呼ばるる
フィンドホーンの人々は仕事をば「love in action」と呼んで尊ぶ
成果など苦にせぬ人らと共にいてわれもゆっくり草むしりする
「瞽女唄をみんなと分かち合うこと」がわが夢となる北の地に来て
火を囲み祈り捧げる集いにてわれは捧げる魂の唄

☆☆☆

8月21日(火曜日)
フィンドホーンリバーへ行く。

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小鳥らは低く飛び交い舞い降りてフィンドホーンは鳥の楽園
「ありのままに生きよ」と言うがに小鳥らは囀りわれを励ましくるる
フィンドホーンリバーの高き水音にわれは溶け込み無の心地なる
胸内に天使を呼べば一匹の犬が駆け来て手を舐めくるる
感動の涙止まらずこの犬がわれの呼びたる天使と思えば
香り立つ甘きトマトをほおばりて草むしりするトマト畑に

☆☆☆

8月22日(水曜日)

テーゼを歌う。グループプロジェクトとしてのラブインアクションでヒバの樹の傍らにあるベンチを磨く。クレーグさんの自然農法の畑の見学。夜の自由時間に思い切ってフリーダンス経参加。

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いつの日かテーゼの歌集点字もて編まんとわれは心に決める

テーゼにて平和広げるその人にいつか贈らん点字の歌集
苔蒸したベンチ磨けば艶やかな木肌現れ友と喜ぶ
ベンチの苔落としながらに蘇る木の手触りを友と楽しむ
瞽女唄の「金のなる木」を唄いつつベンチの苔をやすりで落とす
「金のなる木」は労働歌なればわれそを口の端にベンチを磨く
畑のために唄ってと頼まれて畔にて唄う瞽女祝い唄
誰とでも歌い楽しく働ける日々の暮らしに不足はあらず
フィンドホーンに集いし世界の人たちに心を開きわれも踊りに
妖精の月夜の祭りに招きくれわれの手を引き踊りの輪にも
見えざれど集いし人らと笑いあい踊りし夜に満たされており
帰り来てベッドに入れど汗流れ体は揺れる踊りいるがに
フリーダンスかくも楽しきものなれば是非に伝えん見えぬ仲間に

☆☆☆

8月23日(木曜日)
マリオンさんからフラワーエッセンスの講義を聴く。カランガーデンでラブインアクション3日目。

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ハーブ園小雨に濡れて香り立つ指に触れつつ息吹いただく
出産を助けるフラワーエッセンス嫁への土産に抱いて帰る
北欧の陽を浴び畑に寝そべって友と歌いし「遠い世界へ」
日本の童謡唱歌懐かしむ日系イギリス人女性いて
われが唄う「母さんの歌」しみじみと聴きおりときに口ずさみつつ
レタスの苗植うる仲間の傍らで「正月祝い口説き」を唄う
カランガーデンに響けと唄う瞽女の唄豊年満作願いながらに
わが唄を聞きて喜び「この秋はでっかい南瓜が取れるぞ」と声上げる人

☆☆☆

8月25日(土曜日)
フィンドホーン日本語体験週間が完了。出立前にガーデンのベンチで神秘的な体験をする。

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ガーデンのベンチに腰をかけ深き冥想に入る初の体験

「お茶和讃」心の内で繰り返し歌いながらに瞑想に入り
冥想に導かれたるヒバの樹に支えられつつ私は風に
ヒバの樹に背を支えられ風になり梢を渡る唄いながらに
両の手を翼に鳥となりしわれ北の大地の大空を飛ぶ
ヒバの樹を背に冥想を深めゆくわれを友らは見守りくるる
ウインドベルの優しき音色に見送られフィンドホーンの地を後にする
「これからはこっち向きよ」とマリリーナの明るき声に名残断ち切る
ごきげんようフィンドホーンよ必ずや帰ってきます御心ならば

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