田んぼでピースメイキング- 春

投稿者: | 2016-09-13
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田植えの準備を終えた水田に鴨がすーっとやってきました。

 

 

田んぼでピースメイキング*通信録
田仕事の素人の私たち夫婦が自分たちが主体になって今年からお米作りをはじめ、仲間に配信した通信録です。自分たちの成長の備忘録として。

April 29, 2016

ライフスタイルの在り方への問いかけが本格的に始まった東日本大震災と
原発事故の後、「いつ何時どうなっても主食の米は自力で作れるように」と
「半農半X」の実習の場として、2年前から始めたお米作り。これまで主催者より引き継いで、今年から青木家~ピースメイキングラボ~が借り主となって田んぼを運営することになりました。

10年前に初めて裸足で入った田んぼで、身体の中にまるで龍が登るような電撃的な「出逢い」をしつつも、長いこと忘れていた「大切なこと」を思い出した栃木の農民の血を引く青木隆朗。

別の場所で同じ頃にやはり裸足で入った田んぼで、「瑞穂の民」の血が自分にも流れていることを体感し、ルーツを探し当てたような歓びを味わった団地育ちの青木麻奈。

私たちの共通した想いは、「ここ日本にうまれ育った人」としての何か、誇りや自信を田んぼを通して掴んだことです。再び、2年前に館山のたんぼと出逢いその眠っていた想いが再び起き上がってきました。

この2年で少しずつ、お米作りの実践を通して学び、今年からは改めて稲作を学ぶために知る人ぞ知る、栃木・上三川の「民間稲作研究所」の稲葉先生の講座を受けながら、この時点では「籾米の選別から一本植えのための種まき」までやってきました。

一つ一つが新しく真剣な体験であり、正直にと言うかかなり緊張しながら、でもプロセスを楽しんでおります。

今回私たちがこの田んぼをお世話してゆく中で、一つ大事にしたいと思っていることがあります。

それは、より多くの収穫を得ようとすることを目標にするのではなく、土や水、稲、そしてそこに存在する目に見えない微生物や土地の精霊さんや氏神様といった様々なレベルの存在と対話をしながら、そのプロセスに楽しんで参加する。そして、その結果を歓んで分かち合いながら戴くということです。

いつのまにか、より多く何かを効率的に得ていくということが、当たり前に「成長」の目標設定となってきた世の中のベクトルが、震災以降の自分自身のライフスタイルの変化を経て、私達の中で違和感へと変化してきました。直線的な「成長」ではなく、命の多様性の繋がりを結びながら、まあるく膨らんでいくような「成長」を描いていきたいなと思います。

無制限に無意識に「もっと」を求めていけば、それは全てに波及していくのは当然で、ある時点で、そのベクトルを変えていくことを真剣に意識していくことがとても大切なことだと思います。

同時に、私たち自身もその選択をすることでもっとリラックスした人生になっていくのではないかなと思うのです。仙人のような生活は一気にはなれなくとも、出来ることから始めようという、一つのアクションとして田んぼの長いプロセスを歩んでみようと思っています。

地球にアーシングしながら、稲を植えていく。遠く離れた場所の環境や人々の心の荒廃のバランスをイメージしながら。

そして、何より、自分で作ったお米を食べるということほど、誇り高いものはないと感じています。

是非、一緒に田んぼに稲を植えていきましょう。

*私たちがお米を作る田んぼは、縄文の頃から人が山や海の幸を食べながら営みがあった地域にあります。水源となるため池は山には広葉樹の森があり、その落葉の栄養をたっぷり含んでいます。その栄養満点の水が直接取り入れられています。その地域の田んぼは皆、無農薬栽培なので農薬が混じることはありません。昨年から不耕起無肥料の自然栽培を始めました。

*種米は千葉県の自然栽培農家で自家採取されたイセヒカリ。甘みが多く、とても力のある品種です。

*田植えは機械ではなく、一本の苗を手植えで行います。一本植えは昨年から始めましたが、とてもたくましい稲が育ちました。

*そして出来上がったお米は実費と収穫量から計算してお値段を決めてシェアしたいと思います。

田んぼでピースメイキング- 初夏へつづく